【処方コンセプト】腰痛、神経痛に-刺すような痛み、冷え・湿気・夜間に悪化する人
◆この処方は四物湯に桃仁・牛膝(ごしつ)を加え、血の巡りを改善する作用を強化したもの。さらに祛風湿薬(風邪や湿邪を追い払う薬)と利水薬(水の偏在を治す薬)が配合される特徴をもつ。
◆“痛み”に用い、その範囲は腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛と多岐にわたる。とくに腰より下に発した痛みを目標に用いられる。
◆漢方では“痛み”は風邪・湿邪・寒邪などが侵入して経絡が塞がれ、気血の巡りが滞ることで引き起こされると考えられ、それを“痺証(ひしょう)”と呼んでいる。痺証には風痺(ふうひ)・湿痺(しっぴ)・寒痺(かんぴ)などがある。
◆風痺(風邪が原因の痛み)は遊走性の痛み。湿痺(湿邪が原因の痛み)は重だるい固定痛。寒痺(寒邪が原因の痛み)は冷えると悪化し、痛みが強いという特徴がある。疎経活血湯は風に加えて寒湿の病邪をも除去して、血行を促進し、血液の栄養を補うことから、言わば痺証のオールマイティ薬。
◆薬味が多いので切れ味がマイルドなように思われがちだが、実際に使ってみると、痛みに関しては即効性もあり本治(根治療法)はおろか、標治(対症療法)にも充分かなっている。