【処方コンセプト】めまいのファーストチョイス。立ちくらみから回転性のめまいまで。

みぞおちあたりに水が溜まり、まるで頭に物をかぶったようになり、横になっていても目を閉じていても、グルグル回っているような感じがして、 歩くのも困難な方の回転性のめまいにも適する。

◆漢方では、構成生薬が少ないほど激しい症状や急性期に使われ、逆に薬味が多いほど症状が落ち着いた慢性期に用いるといわれている。本方は沢瀉と白朮の組み合わせで、 少ない薬味(2つの生薬)で構成されているので、切れ味がよく、非常に激しく急激に来ためまいに活用されている。

◆『金匱要略』には「心下に支飲ありて、其の人冒眩に苦しむは、沢瀉湯之を主る」とある。
※支飲(シイン)     :病的な水分が胸膈(キョウカク)や胃院部に停滞する病証。
※冒眩(ボウゲン):目がくらんでぼうっとなること。ただのめまいではなく、もっと程度が著しい。

◆荒木性次先生は、上の条文を基に、「胸中苦しく息切れありて頭モヤモヤする者、或は頭に物を被りたるが如くにしてめまいする者胸中つまりて苦しく、めまいありて頭も被りたるが如くボーっとする者、とにかく一番の目の付け処は心下に在り、若し心下胸中等に少しも障り無くして冒眩ある者は、本方のゆく所に非ず、 故に心下に支飲ありて其の人冒眩を苦しむ者とあるなり。」と下線部のようなタイプに用いるという。

◆胃下垂や神経性、耳性などさまざまな原因によるめまい、船酔い、メニエール病、ヒステリー、癲癇などに応用されている。

【処方構成】2味

沢瀉は寒性の利水薬で、白朮は温性の利水薬である。脾胃の水毒(病的な水分)が何らかの原因で動き、それをこの2味で取り除き、動揺を鎮める。寒性・温性の相反する働きの2味から成っているため拮抗しており、 大きく陰陽のどちらかへ偏ることはなく大変使いやすい。五苓散、当帰芍薬散の原方といわれている。

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